2026年年末調整ガイド:国外居住親族の扶養控除要件(38万円送金基準)と提出書類

2026年(令和8年分)年末調整の手続き解説。30歳〜69歳の国外親族に対する38万円送金要件、必要書類、還付金の計算目安を分かりやすくまとめました。
毎年10月下旬から11月中旬にかけて、勤務先から書類の配布やWeb申請システムの案内がある「年末調整」。
年末調整を適切に行うことで、12月の給与で数万円から十数万円の所得税還付を受けられるだけでなく、翌年度の住民税も大幅に軽減されます。
特に国外に扶養家族を持つ外国人従業員にとって注意が必要なのが、30歳以上70歳未満の国外居住親族に対する扶養控除要件(年間38万円以上の送金義務)です。重要ポイントと提出書類をまとめました。
年末調整の基礎知識と還付の仕組み
毎月の給与から源泉徴収されている所得税はあくまで概算額です。年末調整によって、配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除、iDeCoなどを反映した正確な年間税額が再計算されます。
- 源泉徴収された合計額 > 本来納めるべき税額 の場合:差額が12月の給与で還付されます。
- 確定した課税所得データは市区町村へ送られ、翌年6月からの住民税額の基準となります。

30歳以上70歳未満の国外親族:38万円送金要件のポイント
所得税法改正により、30歳以上70歳未満の国外居住親族を扶養控除の対象とする場合、以下のいずれか1つを満たすことが必須です。
- 留学により非居住者となった者(留学ビザ等の証明書類が必要)。
- 障害者である者。
- 扶養者から年間38万円以上の生活費・教育費の送金を受けている者。
送金額が38万円未満(例:年間30万円など)の場合、控除対象から完全に除外されます。
年齢による特例: – 16歳以上30歳未満: 38万円の送金基準は適用されず、送金事実の証明のみで控除対象となります。 – 70歳以上(高齢の親など): 38万円基準は適用されず、通常の老人扶養控除(48万円〜58万円)が適用されます。
会社へ提出が義務付けられている2つの重要書類
国外居住親族を申告する場合、以下の書類原本または電子データの提出が必要です。
1. 親族関係書類
- 外国政府が発行した出生証明書(実父母や子の場合)や婚姻証明書(配偶者の場合)。
- 日本語の翻訳文の添付が必須です(翻訳者の氏名の記載が必要)。
2. 送金関係書類
- 金融機関や認可資金移動業者(SBIレミット、DCOM、Smiles等)が発行した送金証明書。
- 注意:親族ごとに個別の送金が必要です。 父母2人を扶養にする場合、父名義へ38万円以上、母名義へ38万円以上の2回に分けた送金が必要です。一括してどちらか1人に送金した場合は1人分しか控除が認められません。現金の手渡し持ち帰りは無効です。
控除適用による手取り額の試算例
年収400万円(所得税率約10%、住民税率一律10%)の従業員が、要件を満たす国外親族1人(控除額38万円)を申告した場合:
- 所得税の還付額: 38万円 × 10% = 約38,000円(12月給与で戻る)。
- 翌年度の住民税軽減額: 33万円 × 10% = 約33,000円(月割りで減額)。
- 年間の節税効果:約71,000円/人(父母2人の場合は約14万〜15万円の手取り増)。
今すぐ行うべきチェックリスト
- 今年の送金累計額の確認: 10月〜11月中に送金アプリで累計額を確認し、38万円に満たない場合は追加送金を行いましょう。
- 送金証明書の発行手続き: 資金移動業者のアプリから「年間送金証明書」をダウンロードまたは郵送請求します。
- 親族関係書類と日本語訳の準備: 提出期日に遅れないよう早めにスキャン・準備しておきましょう。
参考資料
- 国税庁:令和8年分 年末調整のしかた(公式パンフレット)。
- 国税庁:国外居住親族に係る扶養控除等の適用に関するQ&A。
- 各市区町村:住民税における国外居住親族の扶養控除の取り扱いについて。
内容は個人の経験を共有するものであり、財務的または法的なアドバイスではありません。決定を下す前に現行の規則をご確認ください。